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DTFプリントとは?特徴・仕組み・他方式との違いをわかりやすく解説|小ロット・フルカラー印刷に最適

DTFプリント(Direct to Film)は、専用フィルムに印刷したデザインを熱と圧力で生地に転写するプリント方式です。 版を作らずにフルカラー印刷ができ、発色が鮮やかで1枚から量産まで対応可能。 伸縮にも強く、Tシャツやパーカーなど幅広いアパレル製作で活用されています。 このページでは、DTFプリントの仕組み・特徴・注意点をわかりやすく解説します。

DTFプリントとは?

リード画像

DTFプリント(Direct To Film Printing)とは、デザインを専用のフィルムに印刷し、そのフィルムを熱と圧力で布地に転写する印刷方法です。 近年、アパレル業界やオリジナルグッズ製作の現場で急速に普及している次世代のプリント技術として注目されています。

仕組みはシンプルですが非常に合理的です。 まず、専用プリンターを使ってデザインを反転状態でフィルムにインクジェット印刷し、その上に接着用のホットメルトパウダー(のり粉)をふりかけます。 これを加熱してインクとパウダーをしっかり定着させた後、Tシャツなどの生地に重ねてプレス機で熱転写します。 最後にフィルムを剥がすと、デザインだけが生地の表面に残り、鮮やかな発色としなやかな手触りのプリントが完成します。

この方式では、従来のシルクスクリーン印刷のように版を作る必要がないため、 1枚からでもフルカラー印刷が可能で、多色デザインや写真などもきれいに再現できます。 また、ポリエステル・綿・ナイロンなど幅広い生地に対応できる点も大きな特徴です。

つまりDTFプリントは、「小ロット・フルカラー・高耐久」を実現した、 布製品に最適なハイブリッド型デジタルプリント方式といえます。

DTFプリントの仕組み

DTFプリントは、専用のフィルムとインクを使い、熱と圧力で生地に転写する印刷方式です。 印刷から仕上げまでの流れは以下の5つの工程で構成されています。

専用フィルムに反転印刷し、白インクで発色を補強

専用フィルムに反転印刷し、白インクで発色を補強

DTF専用プリンターでデザインを反転状態のままフィルムにCMYKで印刷し、その上から白インクを重ねて下地を形成します。白層があることで黒やネイビーなど濃色生地でも色が沈まず、明るくくっきりと再現可能。写真やグラデーションなどの繊細な表現でも、白インク層が発色の鍵になります。

熱でパウダーを溶かしインクを定着

熱でパウダーを溶かしインクを定着

印刷が完了したら、フィルムの裏面に「ホットメルトパウダー(接着粉)」をふりかけます。
このパウダーはインクを生地に密着させるための糊のような役割を持っています。
加熱してパウダーを溶かすことで、インク層としっかり一体化し、転写時に高い密着性を発揮します。この工程が、プリントの耐久性と剥がれにくさを決める重要なポイントです。

フィルムを生地に重ね、熱プレスで転写

フィルムを生地に重ね、熱プレスで転写

パウダー処理を終えたフィルムをTシャツなどの生地に重ね、プレス機で高温・高圧をかけて圧着します。熱によってパウダーが溶け、生地の繊維と一体化することで、デザインがしっかりと転写されます。プレス温度や時間は素材によって微調整し、最適な密着を得ることが大切です。

フィルムを剥がして仕上げ

フィルムを剥がして仕上げ

プレス後は一度冷ましてから、フィルムをゆっくりと剥がします。
すると、デザイン部分だけが生地に残り、フィルムは剥離されます。
必要に応じて再度軽くプレスを行い、インク層を生地になじませることで、より滑らかで自然な質感のプリントに仕上がります。

DTFプリントのメリット

DTFプリントは、従来の印刷方式にはない「自由度」と「再現性」を兼ね備えた印刷方法です。 版が不要で、フルカラーのデザインをそのまま布製品に再現できることから、アパレル業界やオリジナルグッズ制作の現場で急速に広まっています。 ここでは代表的なメリットを5つ紹介します。

フルカラー・写真表現に対応

フルカラー・写真表現に対応

DTFプリントはインクジェット方式を採用しており、グラデーションや写真などの繊細な色の階調も鮮やかに再現できます。
シルクスクリーン印刷では難しかった多色や濃淡のあるデザインも、データ通りの発色で表現可能です。写真やイラストをそのままプリントしたいTシャツやスウェットに最適です。

版が不要で1枚から製作できる

版が不要で1枚から製作できる

従来のシルク印刷のように版を作る必要がないため、小ロットや単品オーダーにも柔軟に対応できます。試作品・サンプル・個人向けのオーダーなど、1枚だけでもフルカラー印刷が可能です。
版代がかからない分、初期コストを抑えられるのも大きな利点です。

高い耐久性と伸縮への強さ

高い耐久性と伸縮への強さ

DTFプリントは、転写時に熱で接着剤が繊維の奥まで入り込むため、剥がれや割れが起きにくく耐久性が高いのが特徴です。洗濯にも強く、通常の使用では色落ちやひび割れがほとんどありません。また、生地の伸びにもある程度追従するため、パーカーやスウェットなどの厚手素材にも適しています。

幅広い生地素材に対応できる

幅広い生地素材に対応できる

綿・ポリエステル・ナイロンなど、さまざまな素材の布製品に印刷可能です。従来のインクジェットでは難しかったポリエステルや撥水生地にも対応できるケースが多く、アパレル製品以外にも、トートバッグやユニフォームなどの用途にも活用されています。

コストパフォーマンスに優れる

コストパフォーマンスに優れる

多色デザインでも追加費用がかからず、色数に関係なく一定コストで印刷できるのがDTFの魅力です。大量生産はもちろん、小ロットでも無駄が出にくく、コストと品質のバランスに優れています。特にイベント用やEC向け商品の製作において、費用対効果の高い印刷方式といえます。

DTFプリントの注意点・デメリット

DTFプリントは非常に優れた印刷方式ですが、万能ではありません。 素材やデザインの内容によっては仕上がりに差が出る場合もあります。 ここでは、あらかじめ知っておきたい注意点やデメリットを解説します。

DTFプリントの写真表現サンプル。高精細に再現されているがややツヤがありマットな質感ではない

自然な質感になりにくい

DTFプリントは、フィルム転写によってインク層と接着層を一緒に生地に圧着させる方式のため、印刷部分にわずかな厚みとツヤ(光沢感)が出やすく、布の繊維感がやや失われる傾向があります。
とくに大きなデザインやベタ塗り部分では、触ったときに少し硬さを感じることがあります。
そのため、生地の質感を活かした自然な仕上がりを求める場合には、インクジェットプリントやシルク印刷のほうが適しています。

グレーのパーカーのポケット部分をアップで撮影した写真。布の質感と縫い目が自然光で柔らかく見える。

平らな面のみにプリント可能

DTFプリントは熱プレスで平らな面にフィルムを転写する方式のため、縫い目・段差・ポケット・リブ部分などの凹凸面には印刷できません。
そのため、Tシャツの胸中央や背面などの平らな箇所へのプリントが基本となります。立体的な位置や曲面にデザインを入れたい場合は、別の印刷方法の検討をおすすめします。

DTF印刷では再現が難しい複雑な写真デザインの例。色の階調や肌のトーンがうまく表現できず、印刷が粗く見えるTシャツの見本。

ぼかしや半透明デザインの再現には不向き

DTFプリントは、データ上の色をそのままフィルムに出力して熱転写する方式のため、
ぼかし・透明・半透明などの繊細な表現はやや苦手です。特に、背景に溶け込むようなグラデーションや淡い色の透過効果は、プリント時に不透明なインク層として再現されるため、データよりもくっきり見える仕上がりになります。

その他の印刷に関する注意事項はこちら

DTFプリント料金表

DTFプリント
枚数12cm×12cm 以内20cm×28cm 以内28cm×40cm 以内34cm×40cm 以内
1~4枚850円1000円1200円1300円
5~19枚650円850円1100円1150円
20~29枚550円750円900円950円
30~49枚450円550円800円880円
50~99枚390円470円700円800円
100枚~お問い合わせ下さい

基本納期:5~14営業日※お急ぎの方はお問い合わせ下さい。

【ご確認下さい】
※転取紙プリントから所持分の料金となります。前後などにプリントする場合は前後それぞれの数量計算となります。
※色味や仕上がりはパソコン・モニターによって異なる場合があります。
※色味確認・サンプル出荷をご希望の場合はお問い合わせ下さい。
※インク量によってはアップチャージが必要になる場合がございます。
※あらかじめご了承ください。

DTFプリント

枚数12cm×12cm 以内20cm×28cm 以内28cm×40cm 以内34cm×40cm 以内
1~4枚600円900円1100円1200円
5~19枚580円850円1050円1100円
20~29枚550円750円980円1050円
30~49枚450円650円950円1000円
50~99枚390円590円850円920円
100枚~お問い合わせ下さい

基本納期:5~14営業日※お急ぎの方はお問い合わせ下さい。

【ご確認下さい】
※DTFプリントは版代不要です。
※転取紙プリントから所持分の料金となります。前後などにプリントする場合は前後それぞれの数量計算となります。
※色味や仕上がりはパソコン・モニターによって異なる場合があります。
※色味確認・サンプル出荷をご希望の場合はお問い合わせ下さい。
※インク量によってはアップチャージが必要になる場合がございます。
※あらかじめご了承ください。
別途データ処理代:3,000円 ※50枚以上のご注文時無料

インクジェットプリント 注意 上部料金:カラーインク(白インクなし)/下部料金:白インク+カラー

枚数12cm×12cm 以内20cm×28cm 以内28cm×40cm 以内34cm×40cm 以内
1~4枚
650円
800円
900円
1050円
1150円
1300円
1200円
1350円
5~19枚
600円
750円
800円
950円
1050円
1200円
1100円
1250円
20~29枚
550円
700円
700円
850円
950円
1100円
1000円
1150円
30~49枚
450円
600円
600円
750円
850円
1000円
950円
1050円
50~99枚
420円
570円
520円
670円
820円
970円
920円
1070円
100枚~
390円
540円
550円
700円
800円
950円
900円
1050円
【最大印刷サイズ】料金表には記載がございませんが最大 W41cm × H52cm までの印刷が可能です。
最大サイズでの制作がご希望の方はお問い合わせ下さい。

基本納期:5~14営業日※お急ぎの方はお問合せ下さい。

【ご確認下さい】
※インクジェットプリントは版代不要です。
※転取紙プリントから所持分の料金となります。前後などにプリントする場合は前後それぞれの数量計算となります。
※パソコン・モニターによって色具合が異なる場合があります。
※色味確認・サンプル出荷をご希望の場合はお問い合わせ下さい。
※インク量などによってはアップチャージが必要になる場合があります。
※あらかじめご了承ください。
別途データ処理代:3,000円 ※50枚以上のご注文時・リピート制作時は無料

シルクスクリーンプリント (1カラー)

枚数12cm×12cm 以内20cm×28cm 以内34cm×40cm 以内
30~49枚200円300円400円
50~99枚150円200円250円
100~299枚80円100円120円
300~999枚60円70円80円
1000~枚別途お見積り
製版代金(データ処理含む)2500円4000円6000円
【最大印刷サイズ】料金表には記載がございませんが最大 W41cm × H52cm までの印刷が可能です。
最大サイズでの制作がご希望の方はお問い合わせ下さい。

基本納期:5~20営業日※お急ぎの方はお問い合わせ下さい。

【ご確認下さい】
※シルクスクリーンプリントは版(版代)が必要です。
※前後などにプリントする場合は前後それぞれの数量計算となります。
※サンプル出荷をご希望の場合はお問い合わせ下さい。
※インク量などによってはアップチャージが必要になる場合がございます。
※あらかじめご了承ください。

印刷方式の比較

Tシャツやグッズ制作でよく使われる3つの印刷方式の特徴を比較しました。

項目 インクジェット シルクスクリーン DTFプリント
仕上がりの特徴 写真のようなフルカラー表現が得意。生地になじむ自然な質感。 発色が強く、色ムラが少ない。インクの厚みで立体感が出る。 発色・耐久性ともに優秀。やや光沢がありプリント面が滑らか。
コスト 小ロット向き。枚数が少なくても安価。 版代がかかるため大量生産向き。 中ロットでもコスパ良好。初期費用ほぼ不要。
最適な数量 1枚~10枚程度 30枚以上 10~200枚程度
対応素材 綿100%、淡色ポリエステルなど ほぼ全素材(綿・ポリ・ナイロンなど) 綿・ポリ・ナイロンなど幅広く対応
向いているデザイン 写真やグラデーション、多色デザイン ロゴ・文字・単色イラスト ロゴ・イラスト・フルカラーデザイン
耐久性 摩擦や洗濯で徐々に薄くなる 非常に高い。長期使用にも◎ 高耐久。伸縮にも比較的強い

※素材・デザイン条件により最適な方式は異なります。

どんなグッズに使われている?

UV硬化インクジェットプリントは、発色の美しさ・素材対応の幅広さ・耐久性の高さを活かして、 多種多様なオリジナルグッズや製品に採用されています。 ここでは、実際に使われている代表的なアイテムを紹介します。

よくある質問(FAQ)

DTFプリントとはどんな印刷方法ですか?

DTFプリントは、専用フィルムにデザインを印刷し、熱と圧力で布地に転写するプリント方法です。 版を作らずにフルカラー印刷ができるため、1枚からでも高品質なオリジナルTシャツやバッグを作ることができます。

どんな素材にプリントできますか?

DTFプリントは、綿・ポリエステル・ナイロンなど、幅広い生地に対応しています。 従来のインクジェットでは難しかった撥水素材や混紡生地にも印刷できる場合があります。 ただし、熱に弱い素材(ポリウレタンなど)には適さないことがあります。

写真やグラデーションのデザインもきれいに出ますか?

はい。DTFプリントはインクジェット方式のため、写真やイラスト、細かいグラデーションも鮮やかに再現できます。 シルク印刷よりも繊細な表現に強く、フルカラーのデザインをそのまま再現したい場合に最適です。

洗濯しても剥がれたり色落ちしたりしませんか?

適切に加工されたDTFプリントは、通常の洗濯ではほとんど色落ちや剥がれはありません。 長持ちさせるためには、裏返して洗う・乾燥機を避ける・アイロンを直接当てないといったケアをおすすめします。

1枚だけでも注文できますか?

可能です。DTFプリントは版が不要なため、1枚からでもフルカラーで製作可能です。 小ロットのオーダーやサンプル製作にも向いています。

プリント部分はどんな質感ですか?

転写プリントのため、少しツヤがあり、やや厚みを感じる仕上がりになります。 大きな面積のデザインでは、若干の光沢や硬さを感じることがありますが、 全体としては柔らかく、自然に生地になじみます。

シルク印刷やインクジェットプリントとの違いは?

・シルク印刷:発色が良く耐久性が高いが、多色印刷はコストが高め
・インクジェットプリント:生地に直接吹き付けるため、風合いが柔らかいが、素材制限あり
・DTFプリント:フィルム転写で多色対応・素材対応・高耐久を実現したバランス型方式 それぞれの特徴を理解して、デザインや用途に合わせて選ぶのがおすすめです。

どんなデザインに向いていますか?

DTFプリントは、写真・イラスト・ロゴ・グラデーションなど、色数が多いデザインに最適です。 一方で、細い線や極小文字などの精密な表現はやや不向きな場合があります。 デザイン内容によっては、最適な印刷方法をご提案します。

その​他の​印刷方​法

グッズメイドでは、商品やデザインの特性に合わせて複数の印刷方式を使い分けています。 素材や色味、仕上がりの質感によって最適な方法が異なります。 ここでは、代表的な4つの印刷方式 ― シルクスクリーン印刷・UV印刷・DTF印刷・UV硬化インクジェットプリント ― の特徴をわかりやすく紹介します。

グッズメイドのロゴがプリントされたブラックTシャツ。中央に「G」マークと「グッズメイド GOODS MADE」の文字入り。

シルクスクリーン印刷

版を使って1色ずつインクを重ねる伝統的な印刷方法です。インクの発色が良く、洗濯や摩擦にも強いため、Tシャツやトートバッグなどの布製品に最適です。

シルクスクリーンについて詳しくはこちら

インクジェットプリントで再現されたTシャツのデザイン例。写真やグラデーションも鮮やかに表現されている。

インクジェットプリント

プリンタのヘッドから直接インクを吹き付けて布に定着させる方式です。グラデーションや写真のようなフルカラーデザインをそのまま再現可能
版が不要で、1枚から製作できるのも特徴です。

インクジェットについて詳しくはこちら

DTFプリントの出力カラーサンプル。各色の発色やグラデーションの見え方を確認できるカラーチャート。

DTF印刷

専用フィルムに印刷して熱で布に転写する新しい方式です。版が不要で、1枚からフルカラー印刷が可能。細かいデザインにも対応し、Tシャツやスウェットなどのアパレルに人気です。

DTFプリントについて詳しくはこちら

UV硬化インクジェットプリント

UV硬化インクジェットプリント

紫外線でインクを硬化させる最新のインクジェット方式。アクリルスタンド・スマホケース・看板などに対応し、細かい表現とツヤ感のある仕上がりが特徴です。淡い色は素材の影響を受けやすいため、白版を併用するのがおすすめです。

UV硬化インクジェットについて詳しくはこちら

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