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白版(白引き)とは?|印刷の発色を支える下地の仕組み

アクリルグッズや濃色素材にフルカラーで印刷する場合、 そのままだと素材の色が透けてデザインが沈んでしまうことがあります。 そこで使われるのが「白版(しろばん)」または「白引き」と呼ばれる白インクによる下地印刷です。 白版を敷くことで、カラーインクが正確に発色し、見たままの色味やコントラストを再現できます。 このページでは、白版の仕組みや仕上がりの違い、データ作成時の注意点をわかりやすく解説します。

白版(白引き)とは?

リード画像

白版(しろばん)とは、カラー印刷の下に白インクを敷く工程のことです。透明素材や濃い色の素材にそのまま印刷すると、下地の色が透けて発色が弱くなったり、デザインが見えにくくなったりします。そこで、印刷前に白インクの層(=白版)を敷いておくことで、カラーインクの発色を安定させ、モニターで見た色味に近い鮮やかさで再現できます。

たとえば透明なアクリルスタンドに直接印刷した場合、背景の光や色が透けて全体がやや淡く見えることがありますが、白版を下地に印刷することで、イラストやロゴがくっきりと浮かび上がり、印刷物らしい仕上がりになります。

ひとことで言うと

白版は、デザインを正確に発色させるための「白いキャンバス」のような役割を果たします。

白版あり・なしの違い(仕上がり比較)

オリジナルグッズの白版比較

白版あり

白版あり

白インクの下地を敷くことで、カラーが生地の色に沈まず鮮やかでくっきりと発色します。ロゴやイラストが際立ち、印刷面も均一でコントラストの高い仕上がりになります。濃色素材や透明素材のデザイン再現に最適です。

白版無し

白版無し

白インクを敷かずに印刷するため、素材の色が下地として反映され、やわらかく自然な風合いになります。光の透け感や素材の質感を活かせる反面、色味はやや淡く落ち着いた印象に。アートや写真表現など、透け感をデザインに取り入れたい場合におすすめです。

白版のあり・なしによって、印刷の見え方や印象が大きく変わります。 ここでは、発色・質感・仕上がりの違いを比較してご紹介します。

比較項目 白版あり 白版なし
発色 白インクの下地により、カラーが鮮やかでくっきりと再現されます。写真やイラストも見たままの色味に近く仕上がります。 背景や素材の色が透けるため、やや淡く落ち着いた印象になります。光を通したいデザインに向いています。
質感 デザインがはっきり浮かび上がり、印刷物らしい存在感があります。立体感やコントラストが強調されます。 素材の質感や色味が活かされ、自然で柔らかい印象になります。透け感をデザインに取り入れたい場合に適しています。
印象 はっきりとした高発色で、ロゴやキャラクターがより際立ちます。店舗用・販促用グッズなどにおすすめ。 ナチュラルで軽やかな仕上がり。アートや透明感を重視した作品向きです。

💡 使い分けの目安
グッズ全体をはっきり見せたい・鮮やかに仕上げたい場合は「白版あり」
透け感や素材の風合いを活かしたいデザインには「白版なし(デザイン効果として)」がおすすめです。

白版の印刷工程(仕組み)

デザインデータを白版用に分離

デザインデータを白版用に分離

印刷データの中で、白く印刷する部分を別レイヤー(白版レイヤー)として作成します。Illustratorの場合は「白版」レイヤーや「特色White」で指定し、通常のデザインレイヤーとは分けて管理します。
この工程で、白くインクを敷く範囲を正確に定義しておくことで、発色の安定性と仕上がりの再現性が向上します。

②白インクを先に印刷

②白インクを先に印刷

プリンターがまず白インクの層を先に敷き, その上からカラーインクを重ねて印刷します。
白インクは隠蔽力(透けにくさ)が高く、素材の色味を抑えてカラー本来の発色を引き出す役割を担います。
下地がしっかりしていることで、ロゴやイラストがより鮮明で立体感のある仕上がりになります。

③UV照射または加熱で硬化・定着

③UV照射または加熱で硬化・定着

印刷後は、UVランプや加熱装置で白インクとカラー層を同時に硬化・定着させます。
これにより、強い発色と高い耐久性を実現。UV硬化インクでは光を当てた瞬間に固まるため、擦れや色落ちに強い高品質なプリントが得られます。

💡白版は、デザインの発色や仕上がりを大きく左右する重要な工程です。 素材やデザインに合わせて白インクの濃度や範囲を最適化することで、より鮮やかで安定した印刷品質を実現できます。

白版が使われる主な印刷方式

UV硬化インクジェット印刷

UV硬化インクジェット印刷

DTFプリント

DTFプリント

インクジェットプリント

インクジェットプリント

白版データ作成時の注意点

白版の作り方や指定方法によって、仕上がりの印象や発色の強さが大きく変わります。
特に素材に色味や透明度がある場合は、白版の濃度設定と範囲の指定が仕上がりを左右します。

  • 白版の範囲は、カラー部分とぴったり同じか、1px内側に設定するのが一般的です。
  • 白インクを敷かない部分は、透過や透明効果として表現されます。
  • 白インクを“色”として使いたい場合(例:白印刷のデザイン)は、別レイヤーや特色指定で明確に分けてください。

💡 IllustratorやPSD入稿では、白版レイヤーを明示するのが基本です。
レイヤー名に「白版」または「White / Spot White」を指定し、カラー部分と混在しないよう管理してください。

白版の塗り回数について(濃度設定)

通常は白インクを1回引きで印刷しています。これで多くの素材は十分な発色が得られますが、 素材色が濃い場合や、より明るく発色させたい場合には 白インクを2回重ねる「白版追加印刷」も対応可能です。

白版追加オプション
追加料金 +¥55(税込)/個
おすすめ対象 シャワーサンダルのブラックなど、素材色が強く印刷面積の多い商品
効果 白インクを2回重ねることで、下地の隠蔽性が高まり、発色やコントラストがより鮮やかになります。

色味が気になる場合はまずはサンプルの作成をお願い致します。発色についてご不明な点がある場合はお問い合わせください。

白版1回

白版1回

素材の色がうっすらと影響し、やや落ち着いたトーンに仕上がります。ナチュラルで柔らかい印象を出したい場合に適しています。ただし、濃い色の素材では発色がやや沈むことがあります。

白版2回

白版2回

白インクを重ねて印刷することで、下地がしっかりと隠蔽され、カラーがより鮮やかでコントラストの強い仕上がりになります。発色を重視するデザインや、濃色素材でのプリントにおすすめです。

よくある質問

白版(白引き)は必ず必要ですか?

透明素材や濃色素材に印刷する場合は、白版を入れないとデザインが沈んだり透けたりして見えるため、基本的に必要です。 一方で、透け感を活かしたいデザインではあえて白版を外すこともあります。用途に応じて使い分けが可能です。

白版を入れるとどんな仕上がりになりますか?

カラーの発色がはっきりし、コントラストが強くなります。 白版を入れない場合に比べて色の鮮やかさ・明瞭さが増し、デザインがより印象的に仕上がります。

白版1回と2回の違いは?

白版を1回だけ印刷すると、素材の色味がわずかに影響し、やや落ち着いたトーンになります。 2回重ねる(白濃度強化)と下地の隠蔽力が高まり、より鮮やかでくっきりとした発色になります。 発色重視のデザインには白版2回が推奨されます。

白版を2回引くと料金は上がりますか?

はい。白インクを重ねることで印刷工程が増えるため、 「白濃度強化オプション」+55円(税込)の追加料金が必要です。

版の範囲は自分で指定できますか?

可能です。IllustratorやPSD入稿の際に「白版」レイヤーを分けていただくことで、 どの部分に白を引くかを指定できます。指定がない場合は当社で自動生成・調整します。

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